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美術のみかた

2017年10月18日
 こんにちは。アトリエくまの堀江です。もう10月も折り返しをむかえましたね。2017年も残りわずかとなってきたような気配がしてきました。急に寒くなりましたが、みなさん、ご体調崩されたりしていませんか?ボクはいつも季節の変わり目に風邪をひくことが多いのですが、今回もちょっと微妙な感じです。

 さて、今日は美術のみかたについて、ちょっとだけ。美術品をどんな風にみたらいいかわからない!という方、多いと思います。かくいうボクも偉そうにいろいろ言えるほどわかっているわけではないのですが、まぁそこはお手柔らかにということで……。
 先に言っておきますが、美術の見方はその人によって異なっていいし、ボクが今書くことが絶対というわけではないです。でもまぁ一般的に言って、あまりぶれていないという程度のことを書いてみたいと思います。

 美術作品をみるとき、みなさんはどんな風に作品をみますか?感性の赴くままに作品と向き合い、自分なりに感じ、そこからじんわりと湧き出してくるものに心をゆだねるという方が日本では多いかもしれません。とくに日本人は感受性に優れた民族といわれていますし、この鑑賞法は得意なのかもしれません。そして、この方法での鑑賞方法はボクも大好きです。
 ただ、これだけだと勿体ないなぁとボクは思います。なぜなら一見してわからない作品は全然心に響かなかったということになり、作り手であるアーティストの意図などには心を砕かずに終わってしまうからです。
 美術というのはなぜか自由なものという風に言われがちです。もちろん自由なものも美術です。でも美術が一つの学問である以上、これだけですませてしまうのはあまりに惜しいです。美術の歴史が脈々と流れている。そして作家たちはそれぞれの時代背景、哲学、先人のどの作家に影響されているのか?などなど、色々考えてつくっているわけです。これらのうちのいくつかをボクらが学んだとたんに意味がわかってくる作品たちも数多くあります。

 現代アートといっても色々ありますが。総じてわかりづらい。意味不明なイメージがある方も多いかと思います。でもこれらの作品たちは作家たちが感性にまかせて、意味不明なことをやっているかというと必ずしも、そうではありません。むしろほとんどの作家が、美術の歴史や時代背景を意識してつくっています。ボクも勉強不足という意味では本当にそうで、まったく意味もわからないし、感性にも訴えかけてこない作品というのが、超有名な作家さんによる作品でもあまたとあります。でも、色々と勉強していくうちに、ふと謎が解けたりする。または解説してもらったりすると腑に落ちりする。もちろん意味はわからないままだけれど、何か詩的な美しさがある作品もたくさんありますし、それでもいいやと思うものあります。

 日本は世界でも有数の美術鑑賞が好きな国だそうです。美術館の来場者は世界でも1位、2位を争うそうです。
 感性だけでみるのもよし、学びながら意味を読み解くもよし、どちらでも楽しければそれでよいと思いますが、ボクはちょっとだけ学びながらみてみるのもおもしろいかなぁと思います。美術というのは、哲学や建築、宗教、時代の象徴的な出来事や音楽、思想、科学、生物学、自然など様々な要素を一緒くたにしたような学問ともいえます。だから美術作品というのは食べ物でいうとサンドイッチみたいなものです。
 Aさんという作家さんがいたとします。彼がどんな作家さんに影響を受けたのか?どんな時代に生きたのか?どんな思想の持主なのか?当時の美術の流行を良しとしているのか?などなどAさんが思う作品の要素を何重にもしてできたものが美術作品というわけです。鑑賞者であるボクらは、これを食べてみて、ただ美味しい、まずいというだけではなく材料なんなのかな?このスパイスはなんだろう?などと考えてみるのも楽しいものです。もちろん、美味しいかまずいかだけの食べ方も全然間違っていません。

 もちろん、こういった要素がほとんど含まれていない子どもの絵画や、意識的にいは含まれていない、いわゆるアウトサイダーと呼ばれる人々の作品もあります。この場合、つくっている人は意識してサンドイッチはつくっていません。でも全く影響をうけていないわけではないと思います。って、ここまで言っちゃうと、ちょっと堅苦しいですかね♪

 というわけで、今回は美術の見方について、ちょっとだけご提案?というような内容の記事となりました。意見がわかれそうなところかもしれないので、これはボク個人の意見ということで~、失礼します




相模原市緑区西橋本の子ども絵画造形教室 アトリエくま 堀江和真