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水彩絵の具について

 こんにちは。アトリエくまの堀江です。ゴールデンウィークは皆さんいかがお過ごしでしたか?ボクは一日だけ休んであとは全部普通に仕事をしていました(笑)。そして、連休明けは風邪をひいて寝込んでいたっていう、あまりパッとしない日々を送っていましたー。いやはや、きっと普段の行いが悪いのであろうと思い、来年はもっとゴールデンになるよう頑張ります。

 さて、今日は水彩絵の具について、ちょっとだけ。水彩絵の具っていうと結構ポピュラーですけれど、大人になってからちょっとはじめようかなと思って画材屋さんに行くと結構うーんってなっちゃったりするアイテムの一つだと思います。まず、水彩絵の具のコーナーに行ってみると、透明水彩という表示の絵の具がある。でもよくみていると、ガッシュってついている種類のコーナーもある。そして、固形にチューブと二つの形状のものがある。値段は一色200円くらいのものから何千円のものまであって、なんでだ?って思う。
 さらに、子どものころ、小学校でつかっていたような絵の具のセットなんかがあって懐かしくて手に取ってみるとマット水彩なんて書いてある。こりゃまた聞いたことないぞっていう感じになっちゃう方も中にはいらっしゃるかもしれません。

 順番にちょっと説明しますね。まず、水彩絵の具って何かというと絵の具の元になる顔料(鉱石などの色のもととなるもの)とアラビアガムというものを練ったものです。色のもととなるものは人口でつくっていたり本当に色々ありますが、これだけでは紙などにうまく定着できないので、アラビアガムという水に溶ける性質のものを混ぜているわけです。この組み合わせがシンプルなものが透明水彩で、水に溶かしてすーっと描き乾く前に色をふんわり混ぜて描くのに適した絵の具です。
 そしてこの透明水彩よりも少し顔料の粒子を大きくして透明性を落としたものがガッシュとなります。ガッシュは不透明という意味です。ちょっとごつごつした質感の水彩を描きたいときに適しています。
 この2つは固形とチューブの二つがありますが、固形は水のついた筆でなぞると簡単に溶け、携帯用に便利です。チューブタイプは色を混ぜたり濃淡を出すのに便利です。また、ちょっとしたときにパレットに出しておいて、そのまま乾かせば即席に固形絵の具にもなります。
 値段の差ですが、これは一つは顔料の値段です。中の鉱物が高ければ絵の具の値段が跳ね上がります。一例ですが、フェルメールがつかっていたといわれるブルーはちょっと昔に復刻されましたが、これはラピスラズリを粉末にしてつくっているため、一本でたしか15万円ほどだったと思います。こんな絵の具で描いて元が取れる作家なんて早々いませんよね(笑)。他にもバーミリオンといわれる赤色なんかは結構高価ですが、後ろに(チント)とか(ヒュー)って表示があると急に安くなります。これは人口の素材で廉価につくったものの表記です。

 最後に子どもの水彩、マット水彩についてです。これは子ども用に廉価で大量に使っても良いようにと作られたもので、先ほど言ったような顔料の割合が少ないかそれを補うような色のもとでつくられていて、アラビアガムが多いといった感じです。確かに大人用の少し良い絵の具と比べると、発色は全然違います。でも子どもたちは絵の具を使う分だけパレットに出すということが結構難しいですし、色遊びが楽しくなってしまって、絵の具をどんどんつかってしまうという子も多いです。ですからこれでいいのだと思います。乾く前にふんわり紙の上で混色していくようなことはこの絵の具ではなかなか難しいですが、できなくはないです。

 ……という感じで、今日はどっちかっていうと画材紹介になってしまいました。ボクはもともと画材屋さんで7年ほど仕事をさせていただいていたので、この手の話は大好きです。これからもどんどん書いていこうと思います。

 あ、あと最後にこれはボクの個人的な意見なのですが、道具は良いものを買えばいいというわけではないということです。それは最低限のラインはあると思います。100円均一の筆や絵の具は正直、これから始めようという人のモチベーションを下げるレベルです。全部とはいいきれませんが、期待はできません。小学生向けの絵の具の12色セットはホームセンターなどでは700円ほどです。これくらいからなら十分大人でも楽しめます。1万円を超えるような絵の具のセットもありますが、これは確かに発色や長期保存、水に対する伸び具合も素晴らしいですが、だからといって、良い作品ができるかというとそれはその人次第です。ボクのおすすめはそんなに負担にならない絵の具を買ってたくさん描いて楽しむということです。その中で、仕上げちょっと~~社のこの色じゃなきゃね。なんてこだわりが出てくればいいと思います。
 まぁ、これは本当に人によるので個人的な意見です(笑)

                   ではでは



相模原市緑区西橋本の子ども絵画造形アトリエくま 堀江和真

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