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寄り道

 こんにちは。アトリエくまの堀江です。毎日寒いですね。先日友人からいただいたネックウォーマーが手放させません。そもそも、ネックウォーマーというものを今年はじめて使ったのですが、ずいぶんあったかいものですね。知らなかった(笑)

 さて今回は制作における寄り道について書いてみようかなと思います。

 アトリエくまでは少し手の込んだ工作をする前にまず完成予定を絵で描かせることが多いです。色もつけますし、細かいアイデアもなるべく描いてもらいます。そしてこれを基準に工作が進行していくわけです。これは設計図のような役割を果たしているので、作っている間に極端に簡略化したり、絵の中で重要だと思われるものを作り方が面倒とかという理由でなくせないようにする作用もあります。工作をしていて手抜きをしているとボクが判断すると、絵を出してもらって一緒に確認します。そこで「あれれ、この建物の色は一色じゃないね。これの通りにやっていみよう。」という具合に直していきます。誰でも、つくる前はわくわくして色々描き込みます。しかしつくっていく過程で、これはどんな素材でどういう風につくるんだろう?と考え、作業量が多そうだと思ったりすると尻込みしてしまいます。それでもやってみる。すると頭の中と絵の中でしかなかったものが、目の前に触れる立体と出来上がってきます。これは、とても楽しい作業だと思います。
 でも、あまり多くはないのですが、中には完成予定の絵よりも、どんどんスケールアップして作っていく子もいます。今回は教室の生徒のAくんを例にあげて紹介してみたいと思います。A君はスケッチブックに家と馬、車、池、木などを描き込み、これを牛乳パックなどをつかってつくることにしました。ボクの見込みではレッスンは3回か4回で完成かなぁというところでしたが、実際はその3倍ほどの時間がかかりました。A君は少しのんびりしたところのある子ではありますが、別にさぼっていたわけではありません。ところどころで完成予定の絵よりもちょっとずつ細かくつくっていき、一つ一つ丁寧に仕上げていきました。制作の途中では段々息切れをしてくるのが普通ですが、Aくんに関しては最後にスケッチブックの中ではとても小さく描いていた馬をなんと家の2倍はあろうかというような大きさにしてつくりました。きっと彼なりのひらめきがあったのかな?と思いました。出来上がった作品は本人としても会心の出来だったようで、うれしそうでした。

 現代は限られた材料と時間の中で結果を出すというのが仕事においても、学校生活の中でも最優先される傾向があります。でも、Aくんの作品をみていると、そういうことではなく寄り道をしてみる。そこで楽しみを見つける。手間暇をかけるということの大切さみたいなものを考えさせられます。社会に出て働いている大人からすると、これはとても贅沢な時間と感じられるかも知れません。でも、できなくはないと思います。かつてボクが会社員をしていたころも毎日1時間はこんな風に作品と向き合い、楽しい時間を過ごしていました。スマートフォンなどで簡単に気晴らしができる便利な時代ですが、ボクは本当の楽しみというのは、ほんの少し面倒だと思いがちな遠回りなのかなと思っています。

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相模原市緑区西橋本の子ども絵画造形 アトリエくま 堀江和真

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